こんにちは。クク・ドンビ院長です。

初手術のあとに生じたハム目のせいで再手術をご検討されたことのある方なら、
一度は二重ライン下げという言葉を耳にされたことがあるのではないでしょうか。

二重ライン下げとは、過去に作られた高すぎる二重ラインと傷痕はそのまま残した状態で、

ご希望の低い位置に新しいラインを作ってアプローチし、過去の強い癒着を解除していく再手術の技法です。

 

既存の1本目のラインを残しつつ、2本目のラインを作ることで二重を低く修正することから
その名がついたのではないかと考えております。 このように言葉で説明するとシンプルに聞こえるかもしれませんが、
実際の執刀は平面ではなく立体的な組織構造に対して行うため、想像以上に複雑で難易度が高くなります。
そのため、目の再手術の中でも最も高度な技術を要する手術の一つと言えます。
 

最も難易度が高いプロセスは、まさに既存ラインの癒着剥離の工程にあります。

もし前回の施術が埋没法や非切開法、自然癒着法、部分切開法などによるものであれば、
比較的スムーズに癒着を解くことができます。

一方で、前回の施術が切開法だった場合は話が変わってきます。 切開法で強固に固定されたラインは、
どなたが見ても解くのが容易でないことは予想できるかと思いますが、実際にもそうであるケースがほとんどです。
 しかし意外なことに、表面から見るとラインが緩んで取れかかっているように見えるケースであっても、

いざ手術で内部を開けてみると、予想以上に強力な癒着がしっかり残っていることが少なくありません。


見た目の状態と実際の内部構造は、必ずしも一致しないということです。

以前YouTubeでも、二重ライン下げの手術手順や既存ラインの解除プロセス、
どの位置からどの深さまで剥離を進めるのかについて解説動画を公開したことがあります。
動画でお伝えした通りのアプローチで癒着がスムーズに解ければベストですが、
それだけでは解消しきれないケースでは、最終的に皮膚のすぐ下にある皮下組織の層まで慎重に到達して
癒着を解きほぐさなければならない場面も出てきます。
(※該当の動画は記事に掲載しておきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!)
 

それでは、実際の症例写真を見ながら詳しく解説してまいりましょう。


 

こちらの患者様は、7年前に埋没法でセミアウトラインを作られた方ですが、
時間の経過とともにラインをすっきりと狭め、インアウトラインへ変更したいとのご希望でご来院されました。

既存のラインは右目が約11mm、左目が約12mm程度であったため、
左目の方が少しぶ厚く見えている状態でした。

 

そのため、今回は高さ9mmの位置で二重ライン下げを計画いたしました。
術前の写真では目元にグッと力を入れていらっしゃるためハッキリ見えますが、
実際には目をあける力が少し弱い方だったため、目つき矯正も同時に行いました。

このように、初手術を埋没法で受けられた患者様の場合は、
既存のラインの癒着が比較的スムーズに解けることが多いため、

ライン下げの手術も支障なく進行できるケースがほとんどです。

 

下記の写真は、術後5日目に抜糸を行った直後の状態です。
ハム目修正やライン下げ手術では、既存よりも幅を狭く低めにデザインすることが多く、
さらに目つき矯正を併用することでラインの下側からも適度な圧迫がかかるため、
思いのほか腫れがかなり少なく抑えられます。 実際に多くの患者様が
「初手術の時とは比べものにならないほど腫れが少ない」とおっしゃいます。

初手術の際に幅の広い高めのラインで作ったことで腫れが酷く、
時間が経って腫れが引いた後もラインが高すぎるために「まだ腫れが残っているのではないか」と感じてしまい、
「二重手術は本来、長期間大きく腫れるものだ」と不安に思われる方も少なくありません。
しかし、ハム目修正やライン下げの再手術は、再手術であるにもかかわらず、
初手術の時よりも2〜3倍ほど腫れが少ないと考えていただければと思います。
(※もちろん、これは目つき矯正を一緒に行った場合を基準としたお話です。)



 

次は、初手術を切開法で受けられた方のケースです。
術後9ヶ月ほどが経過した状態で、高さ10mmの位置に切開線の傷痕が残っていました。

術前の写真だけを見ると、二重の固定が特別強いわけではなく、むしろ少し取れかかって緩んでいるように見えたため、
比較的スムーズに癒着が解けるだろうと予想していました。 しかし、いざ手術を始めてみると予想とは全く違っていました。
やはり切開法は切開法ですね。 見た目には緩んで見えても、内部の構造はかなり強固に癒着していたのです。

 

YouTubeでも解説した通り、眼窩脂肪の層の下側と上側の両方を十分に剥離しながら癒着を解いていきましたが、
皮膚のすぐ下にある皮下脂肪層の深さに残った癒着がどうしても解けませんでした。
最終的にこのようなケースでは、皮下脂肪層にまで深く切り込んで剥離を進め、

癒着をひとつひとつ解きほぐすほかありません。

 

しかし、既存の癒着を解消するためにこの皮下脂肪層にアプローチすると、
その剥離した部分に新たな癒着が生じてしまい、意図しない三重まぶた(重ねシワ)が形成されてしまうリスクがあります。
万が一このような問題が発生してしまうと、術後に何度も通院していただき、

再縫合や追加の処置を行うといった患者様へのご負担が生じてしまいます。

そのため、私はこれをあらかじめ防ぐ手法を取り入れています。

それが、写真に見られるキルティング縫合(Quilting Suture)です。
 幼い頃にキルト(パッチワーク)を作った経験がある方もいらっしゃるかもしれませんが、
「quilt」という言葉自体に「刺しゅうを施す、刺し子縫いをする」という意味があります。
既存のラインを解くために剥離した領域をこのように複数箇所固定しておくことで、
その空間内で新しい不必要なラインができてしまったり、

予期せぬ重ねシワが作られたりするのを効果的に防ぐことができます。


 

この糸は、通常の二重の抜糸を行う日に一緒に抜糸すれば問題ありません。
こうした必要な工程をしっかりと経て、5日目に抜糸を行うと、下のアフター写真のようにラインも自然に低くなり、
上側に不要な重ねシワもできない良好な結果を得ることができます。 

こちらの患者様は内側の眼瞼下垂も併発していたため、目つき矯正も同時に施行いたしました。
目が格段にパッチリ整ったのはもちろんのこと、術後すぐの段階であるにもかかわらず、

腫れが非常に少ない状態をご確認いただけるかと思います。
 

ハム目のお悩みでカウンセリングを受けていると、
「ご自身の目の状態では二重ライン下げしか適応がない」と告げられた経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 手術自体の難易度が高いため踏みとどまってしまう方も多く、
「再手術なら初手術よりももっと腫れて、回復にも時間がかかるのでは」と心配されるケースも少なくありません。
 そこで本日は、実際の施術プロセスを少し詳しく解説し、術後初期の経過写真もお見せすることで、
皆さまの漠然とした不安を少しでも和らげることができればと思い記事を書かせていただきました。

 

似たようなお悩みで再手術をご検討中の方々にとって、少しでもご参考になれば幸いです。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました!